ヨーロッパ車 ミドルクラスSUVをチョイスするなら!?

日本のみならず、世界中で人気となっているミドルクラスSUVは、まさに百花繚乱と言っても過言では無い状態だ。欧州勢ミドルクラスSUVを検討していながらも、「自分にはどのSUVが合うのか?」と頭を悩ませているユーザーも多いことだろう。そこで今回は、ミドルクラスSUVのヒット作であるBMW X3を筆頭に、日本で売れ筋のライバルであるメルセデス・ベンツGLC、アウディ Q5、ボルボ XC60を比較してみよう。

メルセデスベンツが作る、隙のないSUV『メルセデスベンツ GLC』

ドイツのプレミアムブランドとして、古くから対抗馬として続けてきたメルセデス・ベンツとBMW。ミドルクラスSUVの世界でも、GLCとX3が競い合っています。GLCは2016年にデビュー。GLCの車名は、メルセデス・ベンツでSUVを示す「GL」に、「C」という記号がついていることから、「CクラスのSUV」を意味する。

GLCは全長4,670mm×全幅1,890mm×全高1,645mm。パワートレーンは、2リッター直4ディーゼルターボ(194PS)、2リッター直4ガソリンターボ(258PS)、2リッターガソリンベースのPHEV(320PS)、AMGでは3リッターV6ツインターボ(390PS)、そして4リッターV8ツインターボ(510PS!)が設定されてます!

〝ジャストサイズ″ミドルクラスSUV『BMW X3』

ミドルクラスSUVのヒット作の1つが、『BMW X3』2017年デビューの現行型(G01型)は、SUVでは珍しいFRベースということもあり、ハンドリングの良さによってBMWらしい走りを楽しむことができます。

2021年10月28日には、マイナーチェンジが施された最新版が登場した。よりシャープに造形されたエクステリア、予防安全・運転支援システム『ドライビングアシストプロフェッショナル』を全車に採用するなど、安全支援装置が充実。AI技術が活用された音声認証システム『BMWインテリジェントパーソナルアシスタント』も搭載されたほか、コネクティビティ機能の進化も行われ、さらに魅力ある1台に仕上がっています。

エンジンは、2リッター直4ガソリンターボ(184PS)、2リッター直4ディーゼルターボ(190PS)、2リッター直4+電気モーター(29PS)のプラグインハイブリッド(PHEV)。Mスポーツ仕様では3L直6ガソリンターボ(340/387PS)のハイパワーエンジンを搭載。トランスミッションはいずれも8速AT、駆動方式は4WD(xDrive)のみだ。X3のピュアEV版 iX3の航続距離(WLTCモード値)は450kmで、最高出力は286PSという性能を誇る。また、高性能版のX3 Mは、3リッター直6ツインターボ(480/510PS)という別格パワーを発生。価格は713万円から998万円(iX3、X3 M除く)

アウディの高品質が際立つ『アウディ Q5』

X3が出たことに対し、いわゆるドイツのプレミアムブランド御三家(メルセデス・ベンツ、BMW、アウディ)のうち、次に動いたのはアウディだった。同社が2003年に発表したラージクラスSUV「Q7」に続き、2番目のSUVとして2008年に誕生した「Q5」が、X3のライバル車にあたる。2017年には現行型となる2代目が登場。駆動方式は、アウディお得意のフルタイム4WD『quattro』を引き続き採用。2021年にはマイナーチェンジを受け、八角形のシングルフレームグリルを幅広い形状に変更するなど、細かな改良が行われている。

Q5のボディサイズは、全長4,680mm×全幅1,900mm×全高1,665mmで、これまたX3やGLCと近い。エンジンのラインナップでは、以前はプラグインハイブリッドモデルなども設定されていたものの、2021年12月現在では、2リッター直4ディーゼルターボ(204PS)・2リッター直4ガソリンターボ(249PS)+7段のデュアルクラッチ式AT『Sトロニック』と、高性能版「SQ5」が搭載する、3リッターV6ツインターボエンジン(354PS)+8速AT。

アウディで定評のある、クールで高品質、異素材を上手に組み合わせたインテリアは、むろんQ5でも健在。ブランド力もある4WDシステムに対する安心感もあり、このクラスのクルマ選びにおける有力車であることは間違いない。価格は694万円~752万円(SQ5除く)。

伝統ある北欧デザイン『ボルボ XC60』

日本の輸入車市場では、ドイツメーカーが絶対的な強さを維持しているが、それに対抗できる力を持つのがスウェーデンのボルボだ。同社のSUV「XC60」もまた、ドイツメーカーのクルマとは方向性を異にする1台である。

抑揚のあるボディを持つ初代は、2009年に登場。暖かみとモダン、使い勝手を融合した北欧デザインを採用したシンプルなインテリアで人気を博した。

2017年には、フルモデルチェンジによって現行型である2代目へと発展。余計な要素を削ぎ落としたようなエクステリア、初代と一変してきらびやかな印象に変化した内装で、さらに上質・高級感がアップしている。乗り味を含めてとても念入りな仕立ても評価が高く、2017-2018 日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した。ボディサイズは、全長4,690mm×全幅1,900mm×全高1,660mm で、X3のライバルたちとほぼ同サイズだ。

021年12月現在、パワートレーンのラインナップは、電動化を進めるボルボらしく、2リッター直4ターボ+モーターを搭載した48Vマイルドハイブリッドの「B5」(250PS)と、2リッター直4ターボ+スーパーチャージャー+モーターを積む48Vマイルドハイブリッドの「B6」(300PS)、そして2リッター直4ターボ+スーパーチャージャー+2つのモーターという「リチャージプラグインハイブリッド」と呼ばれるPHEV版「T8」(318PS)。以前設定されていた2リッター直4ターボの「T5」(254PS)、2リッター直4ターボ+スーパーチャージャーの「T6」(320PS)

古くから、安全面に関しては妥協をしないボルボだけに、先進安全装備や運転支援機能は充実。価格は48Vマイルドハイブリッドが649~809万円、リチャージ プラグインハイブリッドが834万円~1034万円。

このように、各メーカーが出すミドルクラスSUVは、サイズ・装備・性能・価格がいずれも拮抗しているが、それぞれのメーカーが持つ個性がしっかりと反映されているのは興味深い。しかも、どのモデルも、クルマとしての大きな欠点は見つからない。

そうなると、積載性能、燃費など、カタログ数値の比較か、乗り込んだ時の雰囲気・シートの座り心地・クルマの乗り心地・メーカー自体の好き嫌い・内外装デザイン、内装の明るさ、タッチパネルの反応など、感覚的・感性的な好みに大きく左右される。

ヨーロッパ車 ミドルクラスSUV 総括!

あえてまとめれば、走りを楽しみたいなら『X3』、居心地のよい室内空間でゆったり走りたいなら『XC60』、総合的な満足度が高いのは『GLC』、といえるだろう。可能ならぜひディーラーに足を運び、実際に見て・触れて・乗って、その個性の違いを確認してみてはいかがでしょうか。

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