ベンツやBMWのドアが〝ずっしり″と重厚感がある理由!

ドアが重い要因

・ドアのサイズや厚さ
・外板やフレーム等の素材の重さ
衝突安全性への対応

ドアのサイズは、セダン、クーペ、SUV等で変わってきますが、ドア厚さも車種によってだいぶ異なります。日本の軽自動車のように、限られたサイズの中で、いろいろな要件を実現するために、サイズも厚さもかなり制限がありそうです。

一方で、メルセデスのSクーペや、BMW7シリーズあたりは、びっくりするくらい大きい!

外板やフレーム等の素材は、最新の素材を使えば、軽くなりますが、重要なのは衝突時の変形と強度です。

衝突安全性への対応は、基本的には国際的な安全基準を満たせばよいことになりますが、各メーカーではそれぞれに安全基準を設け、クルマを設計しています。

たとえば、JNCAP(独立行政法人 自動車事故対策機構)の衝突安全試験、側面衝突では、質量950kgの台車を時速55kmで衝突させますが、速度が2倍になれば衝突の衝撃は4倍になるので相応の安全性能が求められます。

なぜドイツ車のドアは重いの?

ドイツ車のドアが重い要因は、メーカーがターゲットにしている速度域が高いことが一番ではないかと思います。皆様もご存じの通り、ドイツでは「アウトバーン」という高速道路があります。アウトバーンでは一部の区間で速度制限が〝無い″区間があります。そこでは日本では無い速度域で一般車両が走行をしております。やはりこのアウトバーンでの事故を想定した車作りをしているので、ドアに重厚感があるのも安易にご想像頂けるかと思います。

衝突安全性のテストでは、ドイツ車も日本車も同等です。ではなぜ”ドアが重い”車が、メルセデスのSクラスから、VWのポロまで当てはまるのか。

まず、よく言われることが、衝突で潰れた場合でも外から簡単にドアを開けられるよう考えているとのこと。数十秒の救出の遅れが命につながりかねない事故の場合、これは意外に重要な要素です。

また、ドアのヒンジやロックに使われるパーツの大きさ、内装に使われる素材、ガラスなども、見た目以上にドアの重さを左右しますし、ドアの開閉音も違って聞こえます。

ドイツ車のドアについて総括

ドアの重さや閉めた時の音の重厚感は、安全性能だけではなく、所有者の満足感を上げる要因にもなると思います。筆者が過去に乗っていた軽自動車などはは本当にペラペラのドアでした。当時は安全性能への関心が薄かったので気になることもなかったのですが、ドイツ車と比較するとなんとも頼りないドアでした。

重さに加えて、ドアを閉める時の音を聞けば、ドイツ車らしさを実感できる。意外とこの五感で感じるあたりにステータス性を持たせるのが一番の理由かもしれません。

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